O-house living room.広島市内のお客様のお宅に納品に行ってきました。
どのお仕事でもそうですが、
今回のフルオーダーチェアの製作でも
多くの経験や出会いをもたらせて戴きました。
幾度と無く修正を繰り返した図面作成や試作品やパーツ。
お客様ご自身も工房までも何度もお越し下さり
正直、
何回お越しになられたのか僕も憶えておりません。。。
それぐらい熱心に、ご自身の家具や木に対する情熱に接し
僕自身もたいへん学ぶべきことの多かったお仕事でした。
なんといいますか、
お客様として『プロ』だな、と。
注文を出す側として
決して偉ぶるでもなく、かといってこちらにオマカセでもない。
自分の感覚に芯を持ち、ここぞのところは譲らない。
自分の伝えたいところは自分で図面まで引いて作り手に説明する。
そして、
ヒヨッコな作り手の僕の感覚や意見を信じ
一番に優先してくれている。
テクニックや経験だけじゃない、
気持ちの部分でのプロフェッショナル。
ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが
僕はそう感じました。
ものづくりの前に
ひとづくり。
じぶんの頭で考えて
じぶんの手で作る
この仕事だからこそ
「じぶん作り」が
なによりの仕事。





■1/5スケールミニチュア。

■SPF材での1/1試作。


■工房で1/1試作でのfitting。お客様から直接意見をお聞きし各部寸法を詰めていく。


■本制作加工中のhighbackのアーム部分。このカタマリから削りだしていく。


■lowbackの後脚と肘部の接合部加工。
以前、Ole Wanscher のarm chairを見たときに
その華奢なデザインに強度をもたせるためにこのとても難易度と手間を要する
「面腰ホゾ」の技法が使われていて感嘆した経験があります。
今回自らの製作にも応用しました。

■backstyle.
後ろからのアングルも美しい椅子に。。とのご要望でした。
チーク材の床とも相性の良い、ブラックウォルナット材。

■highbackはご本人用、lowbackは奥様用。
ありがとうございました。